鬼餅の由来
2014年1月8日
今年は、ちょうど1ヶ月遅れの『8日』の鬼餅の日がやってきました。
旧暦12月8日は、餅を月桃 (サンニン) の葉 (カーさ) に包んで蒸した鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べて、厄払いする日です。
この鬼餅を火の神 (ヒヌカン) や仏壇 (ぶちだん) などに供え、家庭円満と健康祈願する行事をします。
昔話に鬼餅 (ウニむーちー) の話がある。この伝説の意味するところ、詳しくは知らないのだが、少し残酷でエロい部分も含まれておりますが、
ここから先↓さまざま伝説中、鬼餅の由来を説明しようと思います。
ー(・・?ー・ー
昔んかし、首里 (すい) ん金城という所に、
それはそれは、たいそう仲の良い『ましるー』と『とみー』という兄と妹が住んでいました。
両親が亡くなって妹の『とみー』は嫁に行きました。しばらくして、兄の『ましるー』は一人になったから山で暮らす‥と言って、一人で山の中に入っていつた。
初めのころ、『ましるー』は、山羊やニワトリを捕まえては食べていたが、だんだん味に飽きてきて、人の子どもを煮たり焼いたりして食べ始めた。人間の味はちょうど塩加減がよく、一度食べたらもう止められなくなつていった。
『ましるー』には、だんだんと赤毛と角が生えて鬼となった‥
近所の村を荒して、幼い子を連れて行くので、親たちは自分の子どもが狙われたら大変だ、と鬼を追い払った。
追い払われた鬼がたどり着いたのが大里村の西原という所だった。
ここで人が住めるほどの立派な洞穴 (ガマ) を見つけて、やはり同じことを繰り返し、人を食べて暮らしていた。もう幼い子どもでは間に合わなくなって、若いねーねーを誘拐して、食べるようになった。
ー・ー
そんな事とは知らづに、妹の『とみー』は、町で豊かに暮らしていました。
ある日、『とみー』は村人にこう言われた。
『あんたの兄さんは、鬼になって人を食べているらしいよ』
『とみー』は、(・・? エッ‥と思ったが、
この世でたった一人のきょうだいである。
自分の目で確かめるまでは信じたくない‥と、急いで、大里村は西原の洞窟 (ガマ) へと出かけた。
「兄さん、『とみー』です。」と、妹は洞窟の前で大きな声で叫びました。
どうやら、兄は外に出ていて留守のようです。そこで、妹は洞窟の中に入っていきました。すると、思わず鼻をつく悪臭がプンプンしました。洞窟の中には、牛や山羊の骨が散乱していた。
兄は留守であったが、大鍋がぐつぐつ煮えていた。何の気なしに蓋を取ってみると、入墨をした女の人の指が出てきた。
やっぱり兄さんは、
本当に人を殺して食べていたんだ。鬼になっていたんだ。
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
倒れ込むほどショックを受けた。
ー・ー
しばらくすると、兄が戻ってきて、
『おや!『とみー』じゃないか、久しぶりだな』と、鬼となった兄でも昔の妹を覚えていました。そして鬼となった兄は、『美味しいものを炊いているから、食べていかないか?』と言った。
『とみー』は昔を思い出して、『そう言えば?兄さん、餅(ムーチー)が好きだったよね、』いまから、作って持って来るから待っててネ、とごまかして、逃げて帰った。
帰る途中、たった一人の血を分けた兄が鬼になっている、自分の兄弟でなかったら、どんなによかったか。どうして ? どうして‥人を喰う鬼なんかに。
再び、
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
家に着いた『とみー』は、嘆き悲しみました。だけど今は泣いている場合ではない‥涙をこぼしながら、鬼を退治しよう、
肉親の自分に出来ることはそれだけだ、と心に決めた。
思いは一つ。
これ以上、どうして人に迷惑を掛けられようか。『とみー』は次々に餅をこしらえた。
自分が食べる普通の餅と⇔鬼となった兄さんに食べさせる『石と鉄』の入った鬼餅 (ウニむーちー) を作りました。
自分の食べる餅には記しをつけて、どっさり餅を持って、兄を訪ねた。
『兄さん、今日は天気がいいから高い所で景色を見ながら餅を食べよう』と‥鬼となった兄さんを崖っぷちまで誘いました。
空がまぶしいほどの陽光を浴びて広がっている。鬼となった兄は何を疑うこともなく、妹の『とみー』についてきた。
『とみー』は崖まで兄を連れてゆき、記しをつけた普通の餅を美味しそうに食べた⇔つられて、兄も鬼餅を食べた。ところが、さすがの鬼となった兄でも『石と鉄』の入った鬼餅は硬すぎて食べきれなかった‥
ー(・_・; ー・ー
『とみー』は気合いが入りすぎた‥
(*_*) 計画は失敗したのです。それでも鬼は、そんな硬い餅を⇔柔らかそうに、美味しそうに、食べている『とみー』を不思議に思いました。
鬼 (兄/ウニ) は自分の餅と『とみー』の餅を交替(こうたい)しようと言ってきました。
ー(・・?ー・ー
⇔その時?‥
『とみー』は何を思ったか ?
鬼の目の前で着物の裾をまくり上げて、『とみー』はこう言った、
「上の口は餅を食べるため、下の口は鬼を食べるため、」 と‥下の陰部 (ホー) をあからさまにして、鬼に迫りました。
おもわづ、ふいをつかれた、鬼はその行動、その言葉を聞いてびっくりし、慌てて、足を踏み外して、崖 (がけ) から滑り落ちて死んでしまいました。
鬼餅 (ウニむーちー) の行事の由来はそこから来ているのではないかと云われています。この『鬼餅』の話は地域によって異なります。
ー・ー
いまでも、首里金城町の御嶽 (ウタキ:拝所) に死んだ鬼の角を葬っており、そこには、陰部拝御嶽 (ホーハイウタキ) と呼ばれて鬼餅伝説の拝所と知られているとのことです。
この鬼を退治したのが旧暦の12月8日なので、その日を厄払いの日として鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べるようになったということです。
今年は、ちょうど1ヶ月遅れの『8日』の鬼餅の日がやってきました。
旧暦12月8日は、餅を月桃 (サンニン) の葉 (カーさ) に包んで蒸した鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べて、厄払いする日です。
この鬼餅を火の神 (ヒヌカン) や仏壇 (ぶちだん) などに供え、家庭円満と健康祈願する行事をします。
昔話に鬼餅 (ウニむーちー) の話がある。この伝説の意味するところ、詳しくは知らないのだが、少し残酷でエロい部分も含まれておりますが、
ここから先↓さまざま伝説中、鬼餅の由来を説明しようと思います。
ー(・・?ー・ー
昔んかし、首里 (すい) ん金城という所に、
それはそれは、たいそう仲の良い『ましるー』と『とみー』という兄と妹が住んでいました。
両親が亡くなって妹の『とみー』は嫁に行きました。しばらくして、兄の『ましるー』は一人になったから山で暮らす‥と言って、一人で山の中に入っていつた。
初めのころ、『ましるー』は、山羊やニワトリを捕まえては食べていたが、だんだん味に飽きてきて、人の子どもを煮たり焼いたりして食べ始めた。人間の味はちょうど塩加減がよく、一度食べたらもう止められなくなつていった。
『ましるー』には、だんだんと赤毛と角が生えて鬼となった‥
近所の村を荒して、幼い子を連れて行くので、親たちは自分の子どもが狙われたら大変だ、と鬼を追い払った。
追い払われた鬼がたどり着いたのが大里村の西原という所だった。
ここで人が住めるほどの立派な洞穴 (ガマ) を見つけて、やはり同じことを繰り返し、人を食べて暮らしていた。もう幼い子どもでは間に合わなくなって、若いねーねーを誘拐して、食べるようになった。
ー・ー
そんな事とは知らづに、妹の『とみー』は、町で豊かに暮らしていました。
ある日、『とみー』は村人にこう言われた。
『あんたの兄さんは、鬼になって人を食べているらしいよ』
『とみー』は、(・・? エッ‥と思ったが、
この世でたった一人のきょうだいである。
自分の目で確かめるまでは信じたくない‥と、急いで、大里村は西原の洞窟 (ガマ) へと出かけた。
「兄さん、『とみー』です。」と、妹は洞窟の前で大きな声で叫びました。
どうやら、兄は外に出ていて留守のようです。そこで、妹は洞窟の中に入っていきました。すると、思わず鼻をつく悪臭がプンプンしました。洞窟の中には、牛や山羊の骨が散乱していた。
兄は留守であったが、大鍋がぐつぐつ煮えていた。何の気なしに蓋を取ってみると、入墨をした女の人の指が出てきた。
やっぱり兄さんは、
本当に人を殺して食べていたんだ。鬼になっていたんだ。
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
倒れ込むほどショックを受けた。
ー・ー
しばらくすると、兄が戻ってきて、
『おや!『とみー』じゃないか、久しぶりだな』と、鬼となった兄でも昔の妹を覚えていました。そして鬼となった兄は、『美味しいものを炊いているから、食べていかないか?』と言った。
『とみー』は昔を思い出して、『そう言えば?兄さん、餅(ムーチー)が好きだったよね、』いまから、作って持って来るから待っててネ、とごまかして、逃げて帰った。
帰る途中、たった一人の血を分けた兄が鬼になっている、自分の兄弟でなかったら、どんなによかったか。どうして ? どうして‥人を喰う鬼なんかに。
再び、
頭は真っ白になった‥
心がくらくらした。
家に着いた『とみー』は、嘆き悲しみました。だけど今は泣いている場合ではない‥涙をこぼしながら、鬼を退治しよう、
肉親の自分に出来ることはそれだけだ、と心に決めた。
思いは一つ。
これ以上、どうして人に迷惑を掛けられようか。『とみー』は次々に餅をこしらえた。
自分が食べる普通の餅と⇔鬼となった兄さんに食べさせる『石と鉄』の入った鬼餅 (ウニむーちー) を作りました。
自分の食べる餅には記しをつけて、どっさり餅を持って、兄を訪ねた。
『兄さん、今日は天気がいいから高い所で景色を見ながら餅を食べよう』と‥鬼となった兄さんを崖っぷちまで誘いました。
空がまぶしいほどの陽光を浴びて広がっている。鬼となった兄は何を疑うこともなく、妹の『とみー』についてきた。
『とみー』は崖まで兄を連れてゆき、記しをつけた普通の餅を美味しそうに食べた⇔つられて、兄も鬼餅を食べた。ところが、さすがの鬼となった兄でも『石と鉄』の入った鬼餅は硬すぎて食べきれなかった‥
ー(・_・; ー・ー
『とみー』は気合いが入りすぎた‥
(*_*) 計画は失敗したのです。それでも鬼は、そんな硬い餅を⇔柔らかそうに、美味しそうに、食べている『とみー』を不思議に思いました。
鬼 (兄/ウニ) は自分の餅と『とみー』の餅を交替(こうたい)しようと言ってきました。
ー(・・?ー・ー
⇔その時?‥
『とみー』は何を思ったか ?
鬼の目の前で着物の裾をまくり上げて、『とみー』はこう言った、
「上の口は餅を食べるため、下の口は鬼を食べるため、」 と‥下の陰部 (ホー) をあからさまにして、鬼に迫りました。
おもわづ、ふいをつかれた、鬼はその行動、その言葉を聞いてびっくりし、慌てて、足を踏み外して、崖 (がけ) から滑り落ちて死んでしまいました。
鬼餅 (ウニむーちー) の行事の由来はそこから来ているのではないかと云われています。この『鬼餅』の話は地域によって異なります。
ー・ー
いまでも、首里金城町の御嶽 (ウタキ:拝所) に死んだ鬼の角を葬っており、そこには、陰部拝御嶽 (ホーハイウタキ) と呼ばれて鬼餅伝説の拝所と知られているとのことです。
この鬼を退治したのが旧暦の12月8日なので、その日を厄払いの日として鬼餅 (ウニむーちー) を作って食べるようになったということです。