おもしろ語源

阿佐工房

2016年07月28日 18:22


昔んかし、
中世フランスの町で人々が安全な暮らしをできるように城の入口に門を作り「門番」を設置しました。


城門を毎日閉める門番は、決まった時間に城内に戻るよう鐘 (カネ) を鳴らし、時間になると門を閉め、火 (灯 / 明かり) を消しました。その時間が『門限』の語源になっているようです。*仏語の couvre feu (火を覆う) が 英語の cover the fire (消灯) → curfew (カーフュー / 門限) になったと云われています。



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中には、その curfew (門限) に間に合わない人々もおり、その人々は城の近くで野宿をするようになりました。

しかし、城の近くでの野宿は衛生的な問題となり、見かねた人が城門の外に『簡易宿』を設置するようになります。*見かねた人は「おもいやり」の心を持っていました。

簡易宿に泊まる人々は hospes (ホスピス / 宿主) と呼ばれるようになります。*ラテン語の hospes (ホスピス / 宿主) にも「客人の保護」と意味があるようです。

しだいに、hospes (ホスピス / 宿主) が泊まる簡易宿は hotel (ホテル) 、おもいやり / おもてなしの心は hospitality (ホスピタリティ) と呼ばれるようになりました。


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門限に遅れた人々のほか、伝染病などを持つ人々も城内で広まぬよう城外の hotel (ホテル / 簡易宿) に泊まりました。

伝染病やケガ人をもてなす簡易宿は hospital (ホスピタル / 病院) と呼ばれるようになります。


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おもいやり / hospitality (ホスピタリティ) と似た言葉に「service (サービス) 」がありますが、service (サービス) の語源はラテン語の servus (奴隷) 、英語の servant (召し使い) と意味があり「主従関係」でいうと、サービスは「従」⇔  ホスピタリティは「主」で 180度 違うと云われています。


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hospitality (ホスピタリティ / おもいやり) には、hotel (ホテル / 簡易宿) の hospes (ホスピス / 宿主) → 主 (あるじ) と文字が隠れていました。

主 (あるじ) には、空間 / 場所の owner (オーナー / 所有者) と意味があり、店の主 (owner / オーナー) は master (マスター / 店主) ? とも呼ばれています。

master (マスター) は「仕事場の親方 (店主) 」と意味で、master (マスター) の語源はドイツ語の meister (マイスター) が由来とされています。


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中世ドイツ方面では「徒弟 (とてい) 制度」という職人養成所が置かれ『親方 (マイスター / 巨匠) - 職人 - 徒弟 (とてい / 見習工) 』という身分秩序を構成していました。https://kotobank.jp/word/徒弟制度-105432

後ほど、職能訓練制度 (マイスター制度) にも通じたという。https://kotobank.jp/word/マイスター制度-802097


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ドイツ語の巨匠 (meister / マイスター) → イタリア語では maestro (マエストロ) → 英語の master / マスター になったようです。

店の主 (owner / オーナー) は master (マスター / 店主) ?

家の主 (owner / オーナー) は mister (ミスター / だんな) → Mr. ? Mrs.

そのほか、
host (ホスト) は、客をもてなす主。

post (ポスト) は、後ろ / 蔭で支える柱 (支柱 / 主) ?



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そろそろ、

couvre feu (火消し) の時間。

cover the fire (消灯) → curfew (カーフュー / 門限) になったと云われています。

















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