平の都 (みやこ / 宮古)

阿佐工房

2016年07月23日 14:46


ある日、
「さんま御殿」 という TV 番組を見ていた時、友利 (ともり) さん という医者 / タレントが出ていました。

番組では、友利医者の おばあさん が 「友利カニメガ」 という名前をしている事について、番組出演者一同は大爆笑。そして、番組司会者の 明石家さんま も『いったいどこの国の言葉?』というふうに驚いていました。

説明によると、

友利医者の おばあさん は沖縄県は宮古島の人で、島では 「カニメガ」 名称は わりとポピュラーな名前で珍しくない。という事でした。


ー(・・? ー・ー


実は‥ その 「カニメガ」 名称の法則は、平安時代のむかし畿内 / 関西方面でもよく用いられ、珍しくない命名法であったといいます。

「カニメガ」 の カニ は金 (かね / カニ) を意味し、平安時代の命名法では『次の候補者』という意味で金 (かね) はよく用いられ、例えば 「坊かね」 「大臣がね」 「婿がね」 などとあり 「婿がね」 は『次の婿さん候補者』という命名法。そのほか、長男候補者・太郎金、長女候補者・樽金など‥ 石碑や家系図にも残るといいます。

また、昔の人の名称は おばあさん  になってからつけられる名前、幼名、アダ名 などの呼び名が複数ありました。

詳しくは解りませんが、
おばあさん になってからの名前が『次の候補者・金 (カニ) 』だとすると、何らかの宗教的要素があるように思います。


ー・→


命名法だけではなく、
いま、畿内 / 関西方面に住む人々が忘れてしまった 音 (おん) が沖縄県の宮古島に残っているとも云われています。

その 音 (おん) とは『P音』の事で、平安時代の畿内方面の人々はごく普通に発音していたようです。例えば 日本 / ニッポン ⇔ にほん、1分 (プン) ⇔ 2分 (ふん) など、名残りはあるものの、今の畿内 / 関西方面に住む人々でも発音できない『P音』を宮古島の人々は今でも巧みに発音していると云われています。

その『P音』は、沖縄諸島や八重山諸島の人々も発音はおろか、聞き取りも難しいもので、五十音表 (アイウエオ表) にも見当たらない 音 (おん) なので、文字で表現する事もできません。*五十音表といった『言葉の統一』の影響も関係しているようです。


ー(・・? ー・ー


いったいナゼ?
沖縄諸島を飛び超えて、宮古諸島に『P音』が残っているのか? と事を考えると、どうしても 「あの事」 と関係しているようにも思えて来ました。http://asakobonobulogu.ti-da.net/e8847333.html

「あの事」 とは『平家の落人』伝説です。



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1650年、
32歳になった羽地朝秀 (唐名・向象賢) は、琉球の歴史本・中山世鑑 を作りました。


中山世鑑 には、琉球の初代・王さま (舜天 王) は 源為朝  (ためとも)  の遺児伝説が記されており、古くからその賛否について衝突がありました。http://asakobonobulogu.ti-da.net/e8649320.html
*羽地朝秀は九州島で勉強し出世した。


実は‥ 羽地朝秀は自身が生まれた羽地村の平良 (たいら) という部落を田井等 (たいら) に変更していました。

羽地村の平良 / 田井等 (たいら) は、源為朝  (ためとも)  が上陸した今帰仁 (なきじん) 村のすぐ向かいにあり、今帰仁 (なきじん) 村にある今帰仁城の大手門の別名は『平朗門』と呼ばれ、

今帰仁城は 「平家の落人」 が建てたという言い伝えがあります。

今帰仁城の大手門は北を向いており、

喜界島方面から南には 「平家の落人」 が建てたという城がたくさんある。


その平家城の特徴は門が北を向いており、それは鎌倉時代 (源氏の時代) になると九州島には源頼朝  (よりとも)  の隠し子 → 島津忠久 (源氏) が住むようになったからだと云われています。*昭和の初めまで島津忠久 = 源頼朝  (よりとも)  の隠し子 伝説がありました。

そして、沖縄島の北部にある今帰仁城も 「平家の落人」 が建てた城という言い伝えが少なからづあり、1609年の日琉戦争の前には琉球の各地に平良、平安、平敷などの地名があり 「平家の落人」 が隠れ住んだという民間伝承があったと云われています。

「平家の落人」 は、白い洗濯物を見て脅えていたという。*平家は赤旗 ⇔ 源氏は白旗を使用していた。

そしてなぜか? 羽地朝秀のお墓は、

沖縄県那覇市首里平良町という住所になっています。https://ja.m.wikipedia.org/wiki/羽地朝秀の墓

羽地朝秀の生まれ島は『平家の里』で、自身が生まれた羽地村の平良 (たいら) という部落を田井等 (たいら) に変更し、自身は首里の平良町に眠っています。

本当は、羽地朝秀の祖 (おや) は平家だけど ⇔ 源為朝  (ためとも / 源氏)  伝説 を主張しています。その事 → 本当は、琉球の初代・王さま (舜天 王) は 「平家」 だけど 「源氏」 とされた時代背景があったのか? というお話です。http://asakobonobulogu.ti-da.net/e8847333.html


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平安時代の末期 (平家の時代) から鎌倉時代 (源氏の時代) へ政権交代しました。

鎌倉時代 (源氏の時代) なると九州島には源頼朝  (よりとも)  の隠し子 → 島津忠久 (源氏) が住むようになった。そのため、九州島の南には 「平家の落人」 伝説の民間伝承が少なからづ存在していた。

1609年に日本と琉球は戦争をし、日本が勝利した。当時の日本政府・徳川家も島津家も 「源氏」 を祖としていたので、わずかながら語られていた 「平家の落人」 伝説の民間伝承が封印され、沖縄諸島から消え失せ、宮古諸島には残った? かも‥ と説があります。



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またその昔、
宮古島の平良市は 「宮古市」 に市名 変更する事になりました。

ところが ⇔ 

岩手県宮古市の関係者が強く反対したので、宮古市ではなく 「宮古島市」 になったようです。*旧 平良市 → 宮古島市

一説によると、
岩手県宮古市は『都 (みやこ / 宮処) から来た』という意味があり、東北地方にも 「京言葉」 や 「平家の落人」 伝説が語られていたようです。

数少ない民間伝承では、

宮古島の平良も『平の都』と説が少なからづ存在していました。

「平家の落人」 伝説は全国各地にあり、平家の落人たちは『平』という文字を使用するのは 「畏れ多い」 「不敬」 などの理由から使用を控えていました。

ところが ⇔

遠く離れてしまえば、何もかもハデになる傾向があり、離れれば離れるほど『平』という文字の使用がなされたとも云われています。


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それはとても信じられないお話ですが、

糸満の伊敷さん本 には、こんな感じの文が載っています。


壇之浦で源氏に敗れた平家のうち、300人ほどは安徳天皇 (水天宮) とともに奄美諸島を経て沖縄諸島まで南走して来た。

琉球の初代王さま・舜天 (しゅんてん) 王の尊称は首里天加那志 (すいてぃんがなし) 。

安徳天皇 ≒ 水に沈んだ 「水天 (すいてん) 王」 → 「首里天 (すいてぃん) 王」 ≒ 「舜天 (しゅんてん) 王」 になった?‥ と、ある。


ー・→


さすがに、その説は信じられませんが、そうした伝説を持っていた人々が南走して来た可能性は否定できません。

実は‥ 沖縄諸島や宮古諸島、八重山諸島にも 「京言葉」 や 「平家の落人」 伝説が、わずかながら民間伝承であった。と説も少なからづ存在していました。

言葉の一例を上げると、
『ありがとー』を沖縄島では『ニフェーデービル』、宮古島では『タンディガータンディ』、石垣島では『ミーファイユー』と言います。

『ありがとー』の古語は『拝み侍る』だといいます。

拝む = 願う

侍る (はべる)

侍 (はべ) ら → 侍 (さび) ら


ー・→


沖縄島 → 2拝で侍べら (にふぇーでーびる)、

宮古島 → 嘆願恃んで (たんでぃがーたんでぃ)?

石垣島 → 3拝云う ( みーふぁいゆー)。

そのほか、
いらっしゃいませ = 参り召しおはれ (メンソーレ)、またお会いしましょう = また来侍 (はべ) らさい (マタンチャービラサイ)、失礼致します = ご無礼侍ら (グブリーサビラ) など‥ あります。



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宮古言葉 (みゃーくふつ) と 沖縄言葉 (うちなーぐち)

パニパニ  (元気)  がんじゅう

んむっし  (楽し面白)  うむっさ

ぷからす  (嬉しい)  うぃーりき

ぱずかす  (恥ずかし)  はじかさ

まさがぬ   (正直者)  まくとぅー

やなざい  (ズルい)  インチキ

ムぬユぬピとゥ  (おしゃべり者)  ゆんたくムン

さきふゃや(酒飲者)さきくぇー

つんだらーさ  (お気の毒)  チムグリサン 

うとぅるす  (怖い)  うとぅるさん

んぎゃます (うるさい)  カシマシ
 
ぴるます (不思議 / 珍し)  みじらし
 
だりどうう (疲れている)  うーたとん 

やーっさ  (腹ペコ)  やーさい

ばたんちどぅ  (満腹)  ワタみっちょい

んまぁぬむ(美味しい)まーさん

あが   (痛い時)  あがー

やんさ  (病む時)  やむん

おごえ!  (びっくりした時)  あぎじぇ!

あがじゃ!  (しまった!)  アイやー!
*アイやーは中国語源、アイゴーは朝鮮語源

あらん  (違う)  あらん 

あぱらぎ  (美しい)  ちゅら

しっしゃな  (汚い)  ハゴー

ぴんなぎ  (変な / 異な)  いふーなー

ぬふーぬふ(暖かい)ぬくさん

すだーす(涼しい)すがりん

びぃぐる(冷たい)ひじゅる

からず(髪の毛)  からじ

んーぶ(おへそ)テンブス

てぃだ(太陽)てぃら

てぃん(空)てぃん

ぶす(星)ふし

あみかじ(雨風)あみかじ

かんとゅん(雷)かんない

どぅまびてる  (驚く)  どぅまんぎる

みぃぐるぐる(目が回る)みぃぐるぐる

じん(お金 / 銭)じん

ぱり(畑)はる

やーでぃ (家族)  やーにんじゅ

んまつふふあ (親子) うやっくゎ

ういぴとぅ  (老人 / 年寄)  とぅすい  

ばかむぬ  (若者)  わかむん

すじゃ  (年上)  しーじゃ

うとう  (年下)  うっとぅ

やらび   (子供 / 童子)  わらび

どぅす  (友達)  どぅし

ばん / どう  (私)  わん / どぅ

ばんた  (私達)  わったー

うんじゅ  (あなた)  うんじゅ

ぴとぅ  (人 / ひちゅ)   ちゅ

いん(犬)いん

まゆ(猫)まやー

わー(豚)わー

うす(牛)うす

ぴんざ(山羊)ひーじゃー

ぬーま  (馬)  ンマ

ゆぬむ(鼠)エンチュ

とぅ(鳥)トゥイ

ぱどう  (雀)  すーさー

がらさ  (烏)  がらさ

んーばとぅ  (鳩)  ホートゥ

そみなー(メジロ)そーみなー

いず(魚)いゆ

むす  (虫)  むし

やーんぶ  (蛍)  ジンジン

あかーず (蟻 / アリ) あいこー

びーず (蜻蛉 / トンボ) あーけーじゅー

ふぎやん  (毛虫)  キーブサー

んかじ  (ムカデ)  んかじゃー

がざん(蚊)ガジャン

んーな (カタツムリ)  ちんなまー

やーずみ(家住 / ヤモリ / 家守)やーるー

あまん(ヤドカリ)あーまん


ー・→


宮古言葉 と 沖縄言葉 、同じ文字言葉でも音 (おん) が違うので、まったく違う言葉に聞こえ、


九州島や四国島 (東島 / あがりしま) → 日本島 (大東島 / うふあがりじま)、離れれば離れるほど ?‥ また違う言葉に聞こえるけど、平安時代のむかしは、ごく普通に日本島 (大東島 / うふあがりじま) に住む人々は、その音 (P音) を発音し聞こえていたようです。



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 ⇔ 一方、

   

んなわけない
‥ と、異論もあります。














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